秘史

古代ギリシア哲学者であるソクラテスは著述を行わなかった。
そのため、彼の思想は弟子による著作を通じて知られることになる。

彼の父親は石工であり、母親は助産婦であった。

また、彼の晩年は倫理や徳を追求する哲学者として
「単に生きるのではなく、善く生きる」意志を貫いた。

ソクラテスは何故、著作をおこなわなかったのだろう?

それは、「文字を記録する」という物質的手段に頼ってしまうと、
表面的な理解だけで広まることを知っていたからである。

ソクラテスは、話し言葉、つまり「生きている言葉」は、書き留められた言葉の「死んだ会話」とは違って、意味、音、旋律、強勢、抑揚およびリズムに満ちた、吟味と対話によって1枚ずつ皮をはぐように明らかにしていくことのできる動的実体であると考えた。書き留められた言葉は反論を許さず、柔軟性に欠けた沈黙であったので、ソクラテスが教育の核心と考えていた対話のプロセスにはそぐわなかったのである。

ソクラテスは、書き言葉が記憶を破壊すると考えた。個人的知識の基盤を形成するにふさわしい厳密さを期待できるのは暗記するという非常な努力を要するプロセスのみであり、そうして形成した知識基盤は教師との対話の中で磨いていくことができるという信念を抱いていたからである。

つまり、書記言語は本人の意を無視して広めることもできる。
現代的に言うと、「プロパガンダ」だ。
新聞やニュースを見て思考停止の人が何人いるだろうか?

共産党のトップが大統領ではなく、常に「書記」の肩書きであるのも、
そうした支配的な理由からであろう。

 

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