月の表面には白っぽい部分と黒っぽい部分があり、その黒っぽい部分の形が
日本では「ウサギの餅つき」に見えたり、中国では「カニ」や
ヨーロッパでは「女の人の顔」に見えたりするのである。
もちろん同じ模様を見ているのだが、
その文化的な背景で見える形が違って見えるのである。

月はいつも同じ模様に見える。
つまり、月はいつも同じ面を地球に向けている。
これは月は自転していないということではなく、
月の自転周期と公転周期は同じだということである。
ただし、厳密にいうと地球から見て絶対に見えないのは月の表面全体の41%、
つねに見えている面も41%、残りの18%は見えたり見えなかったりする。

月の白っぽい部分を陸といい、月の高地である。
黒っぽい部分を海といい、月の低地である。
もちろん、月には水も大気もないので、海といっても水があるわけではない。
陸は斜長石を多く含む斜長岩という岩石、海は玄武岩からなっている。
高地は隕石が衝突したときの衝撃でできた衝突クレータに覆われている。
一方海はなめらかな表面をしている。

陸の岩石は45.3億年前~38.5億年前からと大変に古いことがわかった。
45.3億年前というと地球-月ができたころとほぼ等しい。
月ができたころ、表面全体が融けた状態(マグマオーシャン)にあり、
それと関係している岩石だと思われている。

月の表面には大気や水がないために、太陽の光を真上から受けている真昼のところでは
温度は120℃にもなるが、太陽の光を浴びない夜の部分では-200℃まで下がってしまう。

月の表側と裏側では、地殻の厚さ以外にも様子が違うところがある。
それは海が極端に少ないことである。
表側では海が30%の面積を占めるが、裏側では海はわずかに2%でしかない。
また、月の重心は月の中心より2kmほど地球によったところにある。
こうした月の表側と裏側の違いが、なぜ生じたのかは明らかではない。

なぜ月の表面には大気や水がないか?結論的には、月の表面重力が小さくて、
大気や水(水蒸気)を保持することができないからである。
つまり、もし昔大気や水があったとしても、その大気や水を宇宙に逃がしてしまうからである。
月の表面重力は、地球の約6分の1である。
それだけ、月はものを表面につなぎ止めておく力が小さいことになる。
だから、月には大気や水がないのである。

現在有力な月の成因は、ジャイアントインパクト説である。
この説によれば、誕生してまもないころの原始地球に(約46億年前)、
巨大な、火星くらいの大きさの隕石が衝突し、
その衝撃で原始地球のマントル部分をはぎ取り(すでにマントル核に別れていた)、
この飛び散ったマントル物質と衝突した隕石がが軌道上で集まって 月をつくったという。

誕生して間もないころの月は表面がマグマオーシャンになっていた。
液体のマグマのが冷えて鉱物ができ始めると、重いかんらん石や輝石などは下に沈み、
軽い斜長石が上に浮いてくる。こうして月の表面近くは斜長石に富む斜長岩となった。

ついで、約40億年ほど前、月に大量の隕石が衝突して(大激変時代)、
中には巨大なクレータをつくるようなものもあった。
こうしてできた盆地に、その後放射性同位元素の崩壊熱でできた玄武岩質のマグマが噴出して
低地を埋めて海をつくった。

その後、月は内部もだんだんと冷えていき、30億年前には火山活動も終わったようである。
ただし、隕石の衝突はその後も(現在までも)続いている。

ジャイアントインパクト説以外の月の起源の説としては、

月は別のところでできたのだが地球の引力によって捕らえられたという捕獲説
(それが起こる確率は非常に低いという問題点)

地球の自転の遠心力により地球のマントルが飛び出してできたという分裂説
(遠心力がそんなに速かったのかという問題点)

たまたま地球と月はお互いに近いところでできたという双子説
(ランダムに微惑星が集まって地球や月ができたとすると、
それにより角運動量は相殺されるはずなのに、実際の地球-月の角運動量は大きいという問題点)

それぞれに一長一短であるが、これらの中ではジャイアントインパクト説が
矛盾が一番少ないといわれている。

 

参考サイト
山賀 進 『われわれはどこから来て、どこへ行こうとしているのか、そしてわれわれは何者か』